12月21コンバ『地獄絵図』
さて、本日の出来事を適切に描写する言葉があるとすれば、それは『地獄絵図』である。
申し遅れました、清水です。ブログ担当のサイクルが早い事に鬱屈しがちな今日この頃です。
本日は、冬合宿最大のイベントであるコンバ異人大会、別名:全日本コンバインド大会がありました。
例年と違い、前半はノーマルヒルのジャンプ1本、後半は10kmという形式。これを午前、午後に分けて、今日一日で行いました。昨日はジャンプ板やクロカン板のチューンにてんやわんやでした・・・・
間髪入れずに話が飛びますが、最近の天候の異常気象っぷりには驚かされます。昨日の午後に雨が降ったと思ったら、今朝は目茶苦茶冷え込み、その結果、どうなったでしょう?
雪という雪が昨日の形状のままで凍り付き、そしてそれは何も一般道の路面や歩道に限りません。クロカンコースにおいても、コースの雪面、前日の板の滑走跡からボーゲンでテカテカになっていた斜面まで、その全て、あたかもスケーリンクかのように、一面氷状態へと変化しておりました。
ジャンプが終わり、午後。コンバ後半。上記の状況がもたらす危険性は、より逼迫した形で我等の身に忍び寄って来たのです。
それは更衣室での異人の会話。今となっては朧げにしか思い出せない。彼等は何を喋っていたのか。キーワードだけ挙げる。
下りヤバイ
マジ無理
ボーゲンできない
下りガチで無理
下り横滑りしてみても無理
下り下れない
板ぬいで歩いて下りてきた
DS
大会中止
etc・・・・
このままレースを開始すれば、そこには想像を絶する結果が待っている、と察知した大会本部は異例の決断を下す。
本部『試合は、予定していたコースを逆走することにします!』
名寄の2.5kmコースには最後に急な下りがある。そこはしかも、激しいヘアピンカーブのため、ほとんどの選手がボーゲン抜きでは下れない。つまり、ボーゲンが多用されるのだ。そして、ボーゲンをすればするほど、斜面は削られ、凹凸のないツルツルバーンが顔を出す。それに加えて昨今の天候が力を合わせれば、魔可不思議殺人ダウンヒルのできあがりである。
追記:クロカン板にエッジは無い
つまり、大会本部の発想は恐らくこうだ。
『下れないのなら、登ればいい!』
→コース逆走
しかし、まぁとりあえず冷静に考えてみよう。そもそも物理的に、ボーゲン不能な斜面であればそれはまた登ることも不可能なのではないか、と。
クロカン板が斜面に引っ掛からないということ・・・・この事態は、登りであろうが下りであろうが、同様のレベルで脅威となるはずである。
ちなみに、
・コース上は氷のため、ワックスやストラクチャーに限らずツルツル滑る
・転倒の可能性が極めて高く、道具損壊の危険性もまた高い
この2点から、東大は皆アップ板で試合に出るという異例の対策を打つ。一橋は勇気を出して本チャン板を使いました。
さて、多くの選手が様々な不安を抱えたまま、レースは予定通り開始された。
そして、このブログのタイトルの通りに。
登りの途中で斜面から滑落し、そのまま後続の選手を巻き込むクラッシュを起こす選手。下りで異様なスピードが出て、斜面の出っ張りに吹っ飛ばされて前方宙返りする選手。他にも、道具を壊す選手達。体を壊す選手達。
東大2年:坂入は途中、右ポールを損壊。一橋1年:杉下がビデオを撮っていた魔の登りに、片手ストックで現れたらしい。
試合後、死相を浮かべる坂入が心配になり、その勇姿を確認するべくビデオをチェックしてみると・・・・・・
そこには、ピッケル一本持って氷山に挑む勇敢な登山家の姿が映し出されていた。アイスクライマー坂入。彼の勇姿は一橋コンバビデオに永久に保存されるだろう。
関係者リザルト
(飛距離・タイム)
31位 内藤(慶應)
・79m ・34分11秒
34位 清水
・60m ・33分53秒
35位 土光(東大)
・61m ・36分30秒
40位 岩本(東大)
・76.5m・42分26秒
41位 芦田
・50m ・42分46秒
42位 北村(慶應)
・60m ・43分16秒
43位 出口(東北)
・33m ・44分42秒
45位 坂入(東大)
・31m ・52分32秒
坂入は、前述の様な理由もあり、堂々の最下位に。
本日の午後は、何か新手のウィンタースポーツをしてたかの様な錯覚に陥った。個人的には、結果共々多分に消化不良である。まともにクロカンをやりたい、という願望も、その成就を左右するのは天候であるから、どうにもこうにも仕様が無い。八大戦が無事開催されることを祈る。
合宿終盤ですが、にも関わらず合宿病とも新型インフルエンザとも無縁の清水でした。
コメント
二度とこんな氷登りしたくないですね…
聞くだけでこわいよ~。大会本部の異例の決断はウケるけど、登りでもこけて人をまきこむとはまさにスケートリンクを縦にしたところをか細いクロカン板で滑ってる感じだね。ブログの最後の一文に納得のいかない安原でした。